ルーティーン化の最大の効果の一つがプラセボ(プラシーボ)効果です。これは「信じることで効果が出る」という心理効果。レース前の決まった行動を繰り返すことで、あなたの脳はこう学習します。
「この手順を踏めば、最高の状態で走れる!」
これにより、特別な薬を飲んだわけでもないのに、まるで魔法のように以下の効果が得られます。
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集中力のスイッチON: 毎回同じ行動をすることで、脳が「これから集中モードに入る時間だ」と認識し、自然と集中力が高まります。
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緊張の緩和: 不安な状況下でも「いつも通り」の手順を踏むことで、心が落ち着き、過度な緊張が和らぎます。
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自己効力感の向上: 「完璧に準備できた」という感覚が、自信となってあなたの背中を押してくれるのです。
2. ルーティーンがもたらす実務的なメリット
心理的なメリットだけでなく、ルーティーンには実務面でも大きなメリットがあります。
■ 時間の管理が劇的に楽になる
レース当日は、起床、食事、移動、ウォーミングアップ、招集と、決められた時間の中で多くのことをこなさなければなりません。すべてを「流れ」として固定化してしまえば、「次は何をすればいい?」と迷う時間がなくなり、余裕を持って行動できます。これは特に、慣れない会場や早朝レースで大きな力を発揮します。
■ コンディションを一定に保つ
「起床から逆算して、レースの〇時間前には必ずこの食事を摂る」「何分前に水分補給を終える」といった流れを固定すれば、身体のエネルギー充填や消化のタイミングを毎回最適化できます。

3. 具体的なルーティーン要素のアイデア(起床〜直前まで)
当日の流れをスタート時間から逆算して考えましょう。
① 起床 → レース何時間前に起床するか
② 朝練 → 何を行うか(軽めのジョグやストレッチなど)
③ 朝食 → 何をどれくらい食べるか(消化の良いものを選定)
④ 会場入り → 何時間前に移動するか(交通状況も考慮)
⑤ アップ → どれくらい走るか、なにをするか(本番に合わせた強度と時間)
⑥ 招集所へ → 寒くない?上着は必要?水分は持っていける?
⑦ スタート直前 → 腹式呼吸や深呼吸など、立ったまま行えるルーティーンを作るのがおすすめ
レース前のルーティーンは、あなただけの「勝ちパターン」です。
まずはポイント練習の朝~直前に試し、最も心地よく、身体が動く流れを見つけてください。最高の状態でスタートラインに立つための「設計図」を描き、本番で実力を100%出し切りましょう!

日々の設計業務も、マラソンも、最高のパフォーマンスを出すためには「準備」と「ルーティーン」が欠かせません。緻密な計画が、本番での自信と余裕を生み出します。