背後には田園風景が広がるゆったりとした敷地です。25坪の平屋建ての家を気に入られて依頼をいただいた若夫婦の家は、まだ小さなお子さんがのびのびと遊べる平屋になりました。庭～土縁～土間～居間～田園風景の眺めが、日々の生活の中で心地よくつながるように配置。高い天井を活かした力強い太鼓梁と、そこに仕掛けた間接照明のやわらかな明かりが特徴です。また、思い出の小物を飾るための棚もたくさん用意しました。家族が集まる居間から見上げた障子の小窓は小屋裏部屋にもつながる開口部です。越屋根に設けたスリット窓で採光・通風もできるこの部屋は、天井も低く狭い空間。まさに「隠れ家」的な場所。おまけで計画したような部屋でしたが、予想以上に気に入っていただきました。敷地全体を囲う予定だった木塀は土縁の前庭だけを必要最小限に囲いました。木塀の内外に植えられた樹木は、これから年を重ねるごとに徐々に増え、やさしい待並みに変わっていくことでしょう。
