受け継がれる想いと、手入れの愉しみ
匠ブログ
新しい年を清らかな気持ちで迎えるための習慣。
我が家では毎年、年末休みの初日に欠かせない、お仏壇の仏具磨きという「恒例行事」があります。
記憶を磨く、冬の朝
仏間の畳に新聞紙を広げ、真鍮製の仏具を一つひとつ慎重に取り出します。 使うのは、昔ながらの研磨剤「ピカール」。
手ぬぐいに白い研磨剤を少したらし、それを仏具に少しずつまんべんなく塗る。その後は手ぬぐい全体で仏具を包みこみ、ひたすら磨くだけ。
幼い頃、おばあちゃんに褒められながら教わった作法は、今でも手が覚えています。仏間でひたすら磨き続け、白い手ぬぐいが真っ黒になる頃には、仏具は見違えるような輝きを取り戻します。


今の時代、メンテナンスフリーの素材はたくさんありますが、あえて「手を入れる」必要がある真鍮は、磨くたびに思い出が重なり、深みが増していくように感じます。