【開催レポート】古民家で体験する、日本の美意識「藍染」の奥深さ|横曽根たしなみ塾
匠ブログ
2025年7月6日、横曽根の古民家にて、初の「藍染ストールの会」を開催いたしました。
日本の伝統色であり、深い美しさを持つ「藍色」に触れる特別な体験に、多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございました。今回は、新潟を拠点に活動されている「にいがたアグリクラフト」の畠山マリ子先生と井上悦子先生をお招きし、手触りの良いストールと、日常使いに便利な手ぬぐいの2点を藍染めしました。
1. 絞り方で変わる表情。世界に一つだけの模様を生み出す「絞り」の工程
まずは、藍染めの模様の要となる「絞り」の作業からスタート。ビニール紐や輪ゴムを使い、染めない部分を絞っていきます。
絞る強さや太さによって、仕上がりの柄が大きく変わるため、参加者の皆さんは先生方のアドバイスに耳を傾けながら、思い思いの模様をイメージして作業を進められていました。
2. 藍色の魔法!空気に触れて色が変わる「染め」の神秘
いよいよ「染め」の工程です。ぬるま湯に染料を溶かし混ぜあわせると、液面に「藍の花」と呼ばれる泡が立ち上ります。この泡ができたら準備完了!
布を60秒ほど染料に浸し、一度取り出すと、なんと布は鮮やかな緑色に!この驚きの変化に、参加者の皆さんからは歓声と笑みがこぼれました。まるで笹だんごのような可愛らしい形も、場を和ませるアクセントに。ここからが藍染めの醍醐味。空気に触れさせることで、緑色から徐々に美しい藍色へと変化していく様子は、まさに魔法を見ているようでした。
約20分待ち、色味を確認。もう少し濃くしたい場合は、再度染料に浸すことで、より深い色合いを追求できます。
3. 解く瞬間の喜び!個性が光る一点物の完成
どんな模様が生まれるのか、期待に胸を膨らませながら「洗い」の作業へ。絞りを丁寧に解き、水で洗い流すと、それぞれに個性豊かな藍色の模様が現れました。色の濃淡や柄の出方など、一つとして同じものはなく、参加者全員の「オンリーワン」の作品が並ぶ様子は、達成感と喜びに満ちていました。
4. ティータイムと共に振り返る、充実のひととき
仕上げは、色を定着させる「色止め」の工程です。色止め剤に浸している間はティータイムを設け、和やかな雰囲気の中で歓談が弾みました。「家でイメージトレーニングをしてきたのに、なかなか思い通りにはいかないわぁ」と、並々ならぬ熱意で参加された方もいるほど、皆様本当に熱心に取り組まれ、先生方も驚かれていました。参加者同士で手を貸し合ったり、教え合ったりする場面も見られ、温かい交流が生まれ、「次の開催はいつですか?」と、早速アンコールの声もいただき、大変嬉しく思います。
おもかわたしなみ塾では、これからも皆様に楽しんでいただけるような、日本の文化や豊かな暮らしに繋がるイベントを企画してまいります。
次回のたしなみ塾は、2025年9月28日(日)「いけばな『秋のけしきを 生ける』」を予定しております。こちらもどうぞお楽しみに。