【スタッフ探訪記】風格漂う「蔵春閣」と、假屋崎省吾氏が織りなす「いけばな」の競演
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新発田の地に蘇った歴史的建築物「蔵春閣(ぞうしゅんかく)」にて開催された、華道家・假屋崎省吾氏の世界展を訪ねました。
迎賓館としての誇りを受け継ぐ「蔵春閣」
蔵春閣は、新発田市出身の大実業家・大倉喜八郎が、政財界の重鎮や海外の国賓をもてなすために東京・向島に建てた迎賓館です。1912年(明治45年)に竣工したこの木造2階建て建築は、和の風格と洋の意匠が見事に融合した稀有な空間。二度の移築を経て、2023年に彼の故郷である新発田市東公園へと里帰りを果たしました。
歴史的建築×ダイナミックな「いけばな」の融合
今回の個展は、歴史ある建物の重厚さに負けない、優美で力強いコラボレーションが見所です。かつて賓客を圧倒したであろう豪華な内装に、勢いのある花材と鮮やかな色彩が加わり、空間全体が生命力に満ち溢れていました。
2階廊下の床に広がるのは、大理石のモザイク張り。都鳥と桜をモチーフにした愛らしいデザインです。その淡いタイルの先に、鮮やかな黄色のオンシジウムが目に飛び込んできます。添えられた桜はまだ蕾でしたが、床の絵柄といけばなが呼応し、開花への期待を抱かせる一体感のある作品でした。

2階33畳もの大広間を見上げると、そこには「蜀江組折上げ格天井(しょっこうぐみ おりあげ ごうてんじょう)」が広がります。奥行きとリズムを生むこの技法は、空間をより高く、格式高く見せる職人の知恵。天井にあしらわれた菊の花と葉からインスパイアーされたブルーのオブジェや、色とりどりの菊の作品が、伝統的な和室に現代的な彩りを添えていました。
絢爛豪華な装飾に目を奪われる一方で、昔ながらのガラスの表情や、ひし形模様の障子も美しく魅力的。職人技が光る美しい曲線デザインの階段室入口は、独特のレトロ感があり、これまた目を引きました。
風格のある「蔵春閣」と、ダイナミックな「いけばな」とのコラボレーションを堪能できる假屋崎氏の世界展は3月29日まで。桜も開花してさらにすてきな作品になっていることでしょう。
おもかわたしなみ塾では、暮らしを彩る室礼(しつらい)を気軽に楽しんでいただけるよう、節句や季節の行事にあわせたワークショップを開催しております。
過去には春を楽しむいけばな教室を古民家で開催し、しつらいを学びました。





